キャンプ・コンセントレーション トマス・M・ディッシュ

キャンプ・コンセントレーション (サンリオSF文庫)

キャンプ・コンセントレーション (サンリオSF文庫)

「334」は読みかけだけど、サンリオのディッシュはどれも素晴らしい。
衒学的*1で文学に逃げてしまうかと思ったら、
きっちりとSFとしてオチをつけてくれたので満足。
国書刊行会はきっと
「歌の翼に」→「334」→「キャンプ・コンセントレーション」
と「神曲」三部作を遡って復刊してくれるんだ!
きっとね……

*1:途中まで巻末の用語解説に気づかなかった。

ルピナス探偵団 津原泰水

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫)

ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)

ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ)

憂愁の短編構成が美しい。

超弦領域

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

津原泰水「土の枕」
わずか15Pなのに濃密な物語を読ませてくれる作者の巧さ。
絶品。
伊藤計劃From the Nothing, With Love.」
この作品が「ハーモニー」につながっていくのか。
ネタの組み合わせが秀逸。


他におもしろかったもの
法月綸太郎「ノックス・マシン」
樺山三英「ONE PIECES」
岸本佐知子「分数アパート」
最相葉月「幻の絵の先生」
堀晃「笑う闇」
円城塔「ムーンシャイン」

表紙に騙されるな

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

SFとして素晴らしかった。
ネタバレできないが、2話目の展開が凄まじい。
テンポ良く発想が飛躍していって行き着く先がとんでもない所へ。
ある意味ワイドスクリーン・バロックだよなあ。

リバース 北國浩二

リバース

リバース

前作「夏の魔法」はミステリ要素がおまけ程度で嫌な読後感を味わう作品だったけど、
本作はミステリとしてきれいに構成されている。

ペルディード・ストリート・ステーション チャイナ・ミエヴィル

ペルディード・ストリート・ステーション (プラチナ・ファンタジイ)

ペルディード・ストリート・ステーション (プラチナ・ファンタジイ)

都市ニュー・クロブゾンの雑多さが素晴らしかった。
害虫退治という単純なストーリーだけど、
架空の世界《バス=ラグ》の混沌さに惹きこまれる。
よくここまで詰め込めるなあ。
あとリメイドたちの描写を読んでいると堀骨砕三の「下水街」を連想してしまう。