袖の下の荷物持ち

地元の図書館で高校のときの友達に会った。
彼は浪人生で図書館で勉強をしていた。
ここで普通なら悲惨な浪人生活を余儀なくされる彼に
あたたかい労りの言葉をかけるのが友情だが、
ボクは敢えてそれをしない。



「落ちたら、みんなでリンチね」



他の友達なら励ましの言葉をかけてくれるだろう。
だからこそボクは逆の言葉を言うのだ。
まさしくアメとムチ。
ボクは、心を鬼にして汚れ役を買って出たのだ。
ボクは何度も何度も浪人生にとっては禁句の「落ちる」という言葉を口にした。
そうすることで「落ちる」という言葉が持つ現実感を希薄化させようとした。
青鬼になるのはつらい、悲しみを伴う。
あぁ、苦しい。
そんなボクに対して彼が返した言葉は、



「おまえ、絶対楽しんでいるだろ」



まぁ、実際楽しんでいたんだけどね…
でも彼に受かって欲しいと思っているのも事実。
ボクはひねくれ者なのです。
受かったらお祝いしなくちゃ。

過ちはネタの始まり

「大学にはゲイはいるのか?」という友達の質問に
「N(友達の名前)の身近にもゲイはいるよ」というニュアンスで答えようとしたら



「Nの隣にもゲイはいるよ」



と言ってしまった。
あれ?
Nの隣にいるのってボクじゃん。
明らかな失言。
必死になって弁明してしまった。
一応言っときますがボクはゲイではないよ。
ソフトでもハードでもない。