問題篇

以下今日実際にあったこと。
 10時半大宮発の湘南新宿ラインに乗ったボクは座席の脇に寄りかかりながら「五つの時計」を読んでいた。ふと文庫本から目を離して顔を上げると、ドアに寄りかかる男がいる。がっちりした体格にさっぱりした髪型のお兄さん。ただその場にそぐわないのはスケボーをドアに立てかけていることだ。まぁ、少し珍しいがありえないことではない。このお兄さんは電車が赤羽を出るとドアの前から消えていた。赤羽で降りたのかもしれない。
 電車は池袋に着く。ボクは前の車両に乗っていたので、階段を一度上ってから山手線のホームへ行く階段を下りなければならない。そこでボクは気付いた。赤羽で電車を降りていたはずのスケボーのお兄さんがいるのだ。スケボーを脇に抱えながらボクが下りている階段を逆に駆け上っていく。なぜ手前の駅で降りた彼が池袋にいるのか。ボクより先に池袋に着いたってことなのか。不思議に思いながらもホームで山手線を待つ。
 馬場に到着。先頭車両に乗っていたので戸山口の改札を出る。大学方面は改札を出て左に曲がることはご承知のことだろう。ここでまた不思議なことが起こるわけです。とぼとぼと歩いていたボクを颯爽と追い抜く男の後姿。右手に抱えるのはご存知の通りスケボーである。ボクは三回もスケボー男に出くわしたわけだ。ここまで偶然が重なれば気になるのはしょうがない。馬場歩きをしながら考えたけどしっくりくる答えが思い浮かばない。いったい彼は、大宮から馬場までどういった経路を利用したのか?
 

 自分で答えを3つほど考えたがどれも間違っている気がする。