闇に待つ顔 (ハヤカワ文庫SF―魔王子シリーズ)

闇に待つ顔 (ハヤカワ文庫SF―魔王子シリーズ)

夢幻の書 (ハヤカワ文庫SF―魔王子シリーズ 5)

夢幻の書 (ハヤカワ文庫SF―魔王子シリーズ 5)

異境作家ジャック・ヴァンスが17年かけて描いた魔王子シリーズ。
・アトル・マラゲート
・ココル・へックス
ヴィオーレ・ファルーシ
・レンズ・ラルク
・ハワード・アラン・トリーソング
家族を惨殺し、故郷を破壊した5人の魔王子に復讐するべく
カース・ガーセンは立ち上がる。
全5巻なので1巻で1人の魔王子と戦うというかたちをとっている。
どの巻も魔王子についての手がかりが見つかり、それをたどることで彼らにいき着くという構成。
いかに魔王子を出し抜くかということで、SFではなくエンタメ的な楽しさがあった。
やはり魔王子たちがこの物語の主人公であって復讐する男ガーセンは引き立て役に過ぎない。
どいつもこいつも魔王子は非モテ非コミュDQNのクズばかり。
5巻である「夢幻の書」について
タイトルの意味が切ない。魔王子であるトリーソングが若かりし頃に書いた小説のタイトルで、
これを友人に見られ、その友人を殺してしまう。
ガーセンの読んだ感想は“青二才の大言壮語”。まさしく中二病
さらにこのトリーソングは小さい女の子にいたずらしたり、好きな子に振られるはの、ひどい人生。
挙句の果てに同窓会では当時のいじめっ子に復讐するという始末。