限りなき夏 クリストファー・プリースト

限りなき夏 (未来の文学)

限りなき夏 (未来の文学)

すばらしかった。
「奇術師」や「魔法」を読んでプリーストは合わないかもと思っていたが、
この短編集は好きになれそうだ。
時間を扱った甘めの「限りなき夏」や「青ざめた逍遥」もいいけど、
後半のSF要素が薄めな《夢幻群島》ものが良かった。
さて「ダールグレン」は何年後かな?


以下少しネタバレ
全体的に登場人物の居心地の悪さが伝わってきたなぁ。
「限りなき夏」
活人画や凍結者についての説明を抑えて
ロイドとセイラのロマンスに焦点を当てているけど、この結末って……
「火葬」
後半が気持ち悪い。想像しただけで口の中に苦味が広がってくる。
「奇跡の石塚」
一番良かった。
幼少時代の性的な体験を振り返りながら感傷に浸る主人公。
本当に不意打ちを食らった。
P304 8行目は衝撃の一言だった。
あと「パンツ」って間が抜けてる感じがして微妙だな。
「下着」って訳した方がよくね?